卵アレルギーの症状とは?原因から最新の対策までを徹底解説

食物アレルギーの中でも特に報告の多い「卵アレルギー」。

特に小さなお子様を持つご家庭では、非常に気になる存在ではないでしょうか。

まずは、卵アレルギーがどのようなものなのか、基本的な症状と原因について正しく理解することから始めましょう。

こんな症状が出たら要注意!皮膚・消化器・呼吸器のサイン

卵アレルギーの症状は、原因となる食物を摂取してから数分~数時間以内に現れることが多く、その現れ方は人それぞれです。

主に、以下の3つの器官に症状が出やすいとされています。

代表的な症状一覧

分類 具体的な症状
皮膚症状 じんましん、かゆみ、赤み、湿疹、まぶたや唇の腫れ
消化器症状 腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、血便
呼吸器症状 くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、息苦しさ、ぜん鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)

これらの症状が複数同時に、かつ急激に現れる重篤な状態を「アナフィラキシーショック」と呼び、命に関わる危険な状態です。

少しでも異変を感じたら、すぐに医療機関を受診することが極めて重要です。

なぜ卵アレルギーになるの?主な原因物質

卵アレルギーの主な原因(アレルゲン)は、卵の白身に含まれる「オボムコイド」や「オボアルブミン」といったタンパク質です。

特にオボムコイドは熱に強い性質を持つため、加熱してもアレルギー反応を引き起こしやすいとされています。

一方で、オボアルブミンは加熱によってアレルギーを引き起こす力が弱まる性質があります。

このため、「加熱した卵なら少し食べられる」というケースも存在します。

年齢別の特徴と注意点

卵アレルギーは発症する年齢によって、その特徴や注意すべき点が異なります。

ここでは、乳幼児期とそれ以降の年代に分けて解説します。

 

乳幼児期:最も注意が必要な時期

鶏卵は、乳幼児期における食物アレルギーの主要な原因食物の一つです。

多くの場合、離乳食で初めて卵を口にした際に発症します。

  • 発症時期:生後6ヶ月~2歳頃に発症のピークが見られます。
  • 耐性獲得:年齢が上がるにつれて消化機能が発達し、免疫系が成熟することで、小学校入学頃までに約7割~8割の子供が自然に食べられるようになると言われています(これを耐性獲得と呼びます)。

乳幼児のアレルギーについては、厚生労働省が発行する「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」も参考になります。

家庭だけでなく、集団生活の場での正しい知識と対応が求められます。

学童期以降と大人の卵アレルギー

乳幼児期に発症した卵アレルギーが、学童期以降も続いてしまうケースがあります。

また、非常に稀ですが、大人になってから突然発症することもあります。

  • 症状の多様化:成長に伴い、典型的な即時型アレルギー症状だけでなく、特定の状況下で症状が誘発されるケースも報告されています。
  • 加工品への注意:大人になると外食や加工品を口にする機会が増えます。マヨネーズ、ケーキ、パン、練り物など、予期せぬ食品に卵が使われていることがあるため、食品表示の確認がより一層重要になります。

もし、大人になってから卵を食べた後に体調不良を感じるようになった場合は、自己判断せずアレルギー専門の医療機関を受診しましょう。

卵アレルギーの検査と診断方法

「もしかして卵アレルギーかも?」と感じた場合、正確な診断を受けることが第一歩です。

自己判断で食事制限を行うことは、栄養の偏りや不要な不安に繋がる可能性があります。

 

病院で行われる主な検査

アレルギー専門医のいる医療機関では、主に以下のような検査を組み合わせて診断を行います。

  • 問診:いつ、何を、どれくらい食べて、どのような症状が出たかを詳しく医師に伝えます。食事記録メモを持参するとスムーズです。
  • 血液検査:卵に特異的なIgE抗体の量を測定します。数値は診断の目安になりますが、数値が高いからといって必ずしも症状が出るとは限りません。
  • 皮膚プリックテスト:アレルゲン液を皮膚に一滴たらし、専用の針で軽く傷をつけ、15分後の皮膚の反応(赤みや腫れ)を見ます。
  • 食物経口負荷試験:専門医の管理下で、原因と疑われる食物を実際に少量から摂取してみる検査です。アレルギー診断において最も確実な方法とされています。

自己判断は危険!専門医に相談を

インターネットの情報や思い込みだけで「卵アレルギーだ」と決めつけ、完全に卵を除去してしまうのは避けるべきです。

特に成長期のお子様にとって、卵は良質なタンパク質やビタミンを含む重要な栄養源です。

必ず専門医に相談し、適切な指導のもとで対応を進めましょう。

卵アレルギーとの付き合い方と対策

卵アレルギーと診断された後も、正しい知識を持って向き合えば、過度に食生活を制限することなく、安全に過ごすことが可能です。

 

基本は「原因食物の除去」

治療の基本は、医師の指導に基づき、アレルギーの原因となる食物を必要最小限で除去することです。

どの程度除去すべきかは、個人の症状の重さや検査結果によって異なります。

「完全除去」が必要な場合もあれば、「加熱した卵黄のみならOK」といったケースもあります。

加熱すれば大丈夫?調理法の工夫

前述の通り、卵アレルゲンのうち「オボアルブミン」は加熱に弱い性質があります。

そのため、しっかりと加熱することでアレルギー性が低下することが知られています。

  • OKな場合が多い例:クッキーやパン、うどんのつなぎなど、高温で長時間加熱された加工品。固ゆでした卵黄。
  • 注意が必要な例:半熟卵、炒り卵、茶碗蒸し、マヨネーズ、メレンゲなど加熱が不十分なもの。

ただし、どの程度の加熱なら安全かは個人差が非常に大きいため、必ず医師に確認してから試すようにしてください。

最新の治療法「経口免疫療法」とは

近年、専門医の指導のもとで、原因食物をあえて少量から摂取し、徐々に体を慣らしていくことで耐性獲得を目指す「経口免疫療法」という治療法が注目されています。

これはアナフィラキシーなどのリスクを伴うため、入院設備のある専門的な医療機関でのみ行われる治療法です。

興味がある方は、まずはかかりつけの専門医に相談してみましょう。

アレルギー表示の確認を徹底しよう

加工食品を購入する際は、必ず原材料表示を確認する習慣をつけましょう。

卵は、アレルギー表示が義務付けられている「特定原材料」8品目の一つです。

消費者庁の定めるルールに基づき、食品表示法で表示が義務化されています。

詳細は消費者庁のアレルギー表示に関する情報で確認できます。

外食の際も、お店にアレルギー情報を問い合わせるなど、安全への配慮を怠らないようにしましょう。

アレルギーがあっても楽しめるレシピをお探しの方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
グルテンフリーのレシピ特集

安心・安全へのこだわり。musumiが選ぶ「康卵の里」の卵

卵アレルギーを持つご本人やご家族にとって、食の安全は最も気になることの一つです。

一方で、アレルギーがないご家族にとっては、卵は日々の食卓に欠かせない食材でもあります。

だからこそ、私達musumiは、誰もが安心して口にできる、品質の確かな卵を選びたいと考えています。

鶏の健康が卵の品質に繋がる

musumiが取り扱う卵は、宮崎県にある「康卵の里」さんの特別な卵です。

康卵の里では、鶏が本当に健康に過ごせる環境こそが、最終的に私たちの食卓に届く卵の品質を決めると考えています。

一般的な平飼い養鶏では、地面に残された糞を鶏が食べてしまい、病気になるという課題がありました。

鶏が不健康だと、殻が弱くなったり、本来の栄養が卵に行き渡らなくなったりするのです。

この課題を解決するため、康卵の里では長年の研究を重ね、独自の「二層式平飼い」という方法を確立しました。

  • 清潔な環境を生む「二層式平飼い」:鶏が過ごす場所と糞が落ちる場所が分けられた構造で、鶏が糞に触れることなく常に清潔な環境を保ちます。これにより、鶏は病気のリスクから守られます。
  • 健康だから、卵が美味しい:ストレスなく健康に育った鶏の卵は、食べた餌の栄養がぎゅっと詰まっています。これが、康卵の里の卵が持つ美味しさと安全性の源です。
  • たゆまぬ研究と改良:伝統的な日光や風通しの良さを大切にしながらも、常に新しい技術や考え方を取り入れ、より美味しく安全な「健康卵」をお届けするために日々努力を重ねています。

※「康卵の里」の卵が卵アレルギーを治癒・改善するものではありません。卵アレルギーの方は医師の指示に従ってください。

アレルギーがあっても、食の選択肢を

アレルギーを持つ方がいるご家庭では、他の家族が食べる食材にも自然と気を遣うようになります。

「この卵は、どんな環境で育った鶏が産んだんだろう?」

そんな疑問に、康卵の里の卵は明確に答えてくれます。

生産者の顔が見える、安心・安全な卵を選ぶこと。

それは、ご家族全員の豊かな食生活に繋がる大切な一歩だと、musumiは信じています。

まとめ

卵アレルギーは、正しい知識を持って適切に対応することが非常に重要です。

症状、原因、対処法を理解し、自己判断せずに専門医に相談しましょう。

そして、日々の食卓にのぼる食材一つひとつに目を向けることで、ご家族全員がより安心して食事を楽しめるようになります。

この記事が、卵アレルギーに関する不安を少しでも和らげる一助となれば幸いです。