実はこんなにある!グルテンフリーで使える穀物と粉の種類

最近よく耳にする「グルテンフリー」という言葉。

健康志向の高まりや、アレルギーへの関心から、グルテンを避けた食生活を選ぶ人が増えています。

グルテンとは、小麦や大麦、ライ麦などの穀物に含まれるタンパク質の一種で、パンのもちもち感やうどんのコシを生み出す元となっています。

しかし、セリアック病や小麦アレルギー、グルテン不耐症など、体質によってはグルテンが身体に合わない場合もあります。

この記事では、そんなグルテンフリー生活を豊かにしてくれる、小麦粉以外の様々な穀物や粉の種類と、その特徴について詳しく解説していきます。

【主食にも】お米から作られるグルテンフリー粉

日本人にとって最も身近な穀物であるお米。

そのお米から作られる粉は、グルテンフリー生活の強い味方です。

クセが少なく、様々な料理やお菓子に使いやすいのが特徴です。

米粉

うるち米を細かく砕いて粉にしたもので、グルテンフリーの粉として最もポピュラーです。

パンやお菓子に使うと、もっちり・しっとりとした食感に仕上がります。粒子が細かいためダマになりにくく、お料理のとろみ付けや揚げ物の衣としても優秀です。

  • 向いている用途: パン、ケーキ、クッキー、天ぷらの衣、ホワイトソース

玄米粉

玄米をそのまま粉にしたもので、米粉よりも栄養価が高いのが特徴です。

特にビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。

独特の香ばしい風味があり、パンや焼き菓子に使うと深みのある味わいになります。

  • 向いている用途: パン、パウンドケーキ、クッキー、お好み焼き

参考情報: 米粉の利用拡大については、農林水産省も推進しています。
農林水産省「米粉の情報」

【ヘルシー志向に】豆類から作られるグルテンフリー粉

豆類から作られる粉は、タンパク質や食物繊維が豊富で、糖質が比較的低いことから、健康や美容を意識する方に特に人気があります。

大豆粉

生の大豆を粉にしたもので、高タンパク・低糖質なのが最大の魅力です。

加熱して使う必要があり、独特の風味があるため、お菓子やパンに使うと香ばしく仕上がります。

唐揚げなどの衣に使うと、サクッとした食感になります。

  • 向いている用途: パンケーキ、クッキー、唐揚げの衣、お好み焼き

ひよこ豆粉

ひよこ豆を粉にしたもので、「ベサン粉」とも呼ばれます。

ほのかな甘みとナッツのような風味があり、様々な料理に使われます。

特にインド料理や中東料理でよく利用され、卵の代わりとしてつなぎにも使えます。

  • 向いている用途: ファラフェル、フリット、パンケーキ、スープのとろみ付け

【個性的な風味】その他の穀物・芋・ナッツ類のグルテンフリー粉

世界には、まだまだたくさんのグルテンフリーの粉が存在します。

それぞれ個性的な風味や特徴を持っており、レパートリーを広げてくれます。

とうもろこし粉(コーンフラワー)

乾燥させたととうもろこしを粉にしたもので、ほんのりとした甘みが特徴です。

粒子の細かい「コーンフラワー」はパンやお菓子に、粗い「コーングリッツ」はマフィンやパンのトッピングに使われます。

ちなみに、とろみ付けに使われる「コーンスターチ」もグルテンフリーです。

  • 向いている用途: タコスの生地(トルティーヤ)、パン、マフィン、お菓子のつなぎ

そば粉

そばの実を挽いて作られた粉で、独特の豊かな風味が特徴です。

ガレットやクッキー、パンなどに使うと、素朴で味わい深い仕上がりになります。

注意点として、市販のそば(二八そばなど)にはつなぎとして小麦粉が使われていることが多いため、「十割そば」を選ぶか、そば粉100%の製品を選ぶようにしましょう。

  • 向いている用途: そばがき、ガレット、クッキー、パン

アーモンドプードル(アーモンド粉)

アーモンドを粉末状にしたもので、豊かな香りとコクが特徴です。焼き菓子に加えると、しっとりとして風味豊かに仕上がります。

マカロンやフィナンシェ、タルト生地などには欠かせない材料です。

  • 向いている用途: マカロン、フィナンシェ、タルト生地、パウンドケーキ

グルテンフリー粉の種類と特徴まとめ

粉の種類 主な原料 特徴 主な用途
米粉 うるち米 もっちり、しっとり パン、お菓子、料理
大豆粉 大豆 高タンパク、低糖質、香ばしい パンケーキ、唐揚げ
そば粉 そばの実 独特の風味豊か ガレット、クッキー
アーモンドプードル アーモンド 香ばしい、しっとり マカロン、フィナンシェ

グルテンフリー粉を使う際の注意点

グルテンフリーの粉を選ぶ際には、いくつか知っておきたいポイントがあります。

コンタミネーションに注意

「コンタミネーション」とは、製造過程で本来含まれないはずのアレルギー物質が微量混入してしまうことを指します。

グルテンフリーの製品でも、小麦製品と同じ工場ラインで製造されている場合、微量のグルテンが混入する可能性があります。

重篤なアレルギー症状がある方は、「グルテンフリー認証マーク」が付いている製品を選ぶとより安心です。

粉の特性に合わせた調整

グルテンフリーの粉は、小麦粉のようにグルテンによる粘り気が出ません。

そのため、パンやお菓子を作る際には、吸水率が違ったり、生地がまとまりにくかったりします。

それぞれの粉の特性に合わせて水分量を調整したり、サイリウム(オオバコ)や片栗粉などで粘りを補ったりする工夫が必要になる場合があります。

まとめ

 

いかがでしたでしょうか。

グルテンフリーで使える粉には、思った以上にたくさんの種類があります。

それぞれの粉が持つ風味や食感の違いを知ることで、お料理やお菓子作りの幅はぐっと広がります。

  • 米粉: もっちり食感でオールマイティに使える
  • 大豆粉: ヘルシーで香ばしい仕上がりに
  • アーモンドプードル: 風味豊かで本格的なお菓子作りに

まずは気になる粉をいくつか試してみて、ご自身の好みやお料理に合ったものを見つけることから始めてみてください。

グルテンフリー生活が、もっと楽しく、もっと美味しくなるはずです。